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HUBTEX SFB、フォルクスワーゲンにて稼働中

新しいHUBTEX製マルチダイレクショナルツールチェンジャー

特殊車両メーカーであるHUBTEXが開発した新型マルチダイレクショナルツールチェンジャーは、ドイツ・ヴォルフスブルクのフォルクスワーゲンの工場における射出成形金型の搬送および交換作業向けに特別に設計されました。この車両は最大50,000 kgの積載能力を持ち、HUBTEXの既存設計をベースにしつつ、フォルクスワーゲンの工場での運用に合わせてさらに開発を進めました。新型車両開発の出発点となったのは、高い位置決め精度を備えた柔軟な解決策へのニーズです。これまで射出成形金型は軌道式車両で搬送されていましたが、生産拡大に伴いその運用が困難になったことから、新たな手段が求められていました。今回の開発における中核要素は、複数の機械に対する安全なドッキングプロセスの実現と、迅速かつ安全な金型交換の両立でした。

オペレーターが容易にドッキング作業を行えるよう、ツールチェンジャーは射出成形機の正面に正確に位置決めすることができます。このために、成形機、予熱ステーション、保管場所など、さまざまなドッキング状況が考慮されています。運転者をサポートするために、高精度な位置決めを可能にする専用センサーが搭載されています。確実な位置合わせによる受け渡しを実現するために、ツールチェンジャーは差し込みボルト(ステックボルツェン)を用いて射出成形機に接続されます。高さのずれが生じた場合でも、機械的なレベル補正機構により補正が可能です。

実際の工具交換作業は、車両と射出成形機とのデータ接続が確立されることから始まります。成形機のスライドドアが開かれた後、工具交換はシュブケッテ(押し出しチェーン)システムを用いて行われます。工具の保護のため、移動テーブルには交換可能な真鍮製のリップ(保護レール)が取り付けられています。

VWとHUBTEXが開発プロセスで緊密に連携したことで、新型車両は用途に最適化されました。例えば、工具の掴み取りシステムはリモコン操作が可能となり、オペレーターが交換テーブルに乗る必要がなくなりました。また、車両の移動時においても安全性を常に高いレベルで維持するために、全方向にレーザー検知による人感安全装置が搭載されています。この装置は障害物を即座に検知し、危険があれば車両を即時停止させます。

HUBTEX SFB、現場で稼働中

HUBTEX SFBは、フォルクスワーゲンでの金型交換作業を見事にこなしています。

HUBTEX SFB、フォルクスワーゲンにて稼働中

自動車メーカー・フォルクスワーゲンで稼働中のHUBTEX SFB