






Hydro Building Systems (HBS) 社は、イギリス・テュークスベリー拠点における新たなフォークリフト車両の導入計画において、一つの重大なテーマに焦点を当てました。それは、安全性です。最大7メートルにも及ぶアルミ尺材の搬送を効率的かつ安全に行うため、長年のパートナーであるHUBTEXと協力し、ロードマネジャーや人物検知センサーなどの革新的な安全機能を導入しました。その成果として、5年以上にわたる無事故の実績を達成し、社内表彰制度であるセーフサイトアワードを受賞しました。
Hydro Building Systems (HBS) 社はアルミニウムと再生可能エネルギー分野における世界有数の企業であり、持続可能な未来の実現に向けた企業及びパートナーシップを構築しています。Hydro 社は、40か国以上、140拠点以上において、約33,000人の従業員を擁しています。イギリス・テュークスベリーでは、アルミニウム製品や窓用ファサードシステムを英国全土の窓枠製造業や建材業界に販売しています。新しいフォークリフト車両が必要となった際、どのメーカーを選ぶべきかは明白でした。
「HUBTEXとは12年以上にわたり成功裏に協業しており、新たなフォークリフト導入計画においても、これまでの実績と信頼関係から、再びドイツの信頼できるパートナーに依頼することに一切の迷いはありませんでした。」
とテュークスベリー拠点の Hydro ロジスティクス・製造部門ディレクター、マシュー・ヒックマン (Matthew Hickman) 氏は述べています。
Hydro社はイギリスのテュークスベリー拠点において、合計6台のマルチダイレクショナルサイドローダーを導入しています。新しいHUBTEXのPHOENIXシリーズから、MQ35が3台、MQ40が3台です。これらのフォークリフトは長尺で重量、嵩張る大型貨物を安全かつ機敏で効率的な輸送を実現しています。また、快適性の面でも優れており、横向きに座るキャビンは人間工学に基づいた座り心地で広い足元スペースと前後走行時の視界の良さを提供してくれます。
「運転席の設計では、作業中の疲労を軽減し、落ち着いて作業ができるよう、快適性の最大化に重点が置かれました。」
とHUBTEX UKの代表取締役であるポール・マクナリー (Paul McNally) 氏は述べています。
この新しいマルチダイレクショナルサイドローダーに求められた要件は明確でした。フォークリフトは、屋外では主にトラックの積み下ろし作業に、そして屋内では狭い通路のラック倉庫内で、確実に活用できることが求められていました。その中でも、最も重要な要素は安全性でした。長尺のアルミプロファイルは、迅速かつ効率的、そしてなにより傷や損傷なく運搬されなければなりません。
「私たちは、電動マルチダイレクショナルサイドローダーに組み込まれる、いくつかの安全機能を共同で開発しました。」とマクナリー氏は説明します。「その一例がフォークを高所から下ろす際に、長尺物を優しく安全に地面に置けるようにするショック吸収気 (ダンパー) です。」
特に屋内作業においては、この機能が非常に重要です。というのも、棚の高さは最大10メートルに達し、最大16個の荷台(パレット)が積み重ねられることもあるからです。この機能は作業員の安全を確保するだけではなく、アルミプロファイルの損傷リスクを大幅に低減します。さらに安全性を高めるのがいわゆるロードディテクター(荷重検知センサー)です。このセンサーはフォークに荷物が載っているかどうかを検知します。もし長尺物が正しく、かつ安全に載っていない場合は荷がしっかり固定されるまでマルチダイレクショナルサイドローダーの走行を制御し、誤操作による事故や損傷を未然に防ぎます。
もう一つ重要な安全機能が人物検知システム(パーソナルセーフティシステム)です。このシステムは半径3メートル以内に人が近づくとフォークリフトを自動的に停止させます。さらに、5メートル以内に人がいる場合には、自動で黄色の警告灯が点滅し、周囲に人がいる可能性をドライバーに視覚的に知らせます。新しいフォークリフトはこのほかにも、運転をサポートする高解像度カメラ、通路内での誤操作を防ぐ、ステアリングシステム無効化システム、そして高さ制限センサーが搭載されています。この高さ制限機能により、荷物の高さが一定以下でなければ走行を開始できないようになっています。もしフォーク(荷台)が高い位置のままになっていると、フォークリフトは動作を停止したままとなり、ラック内の製品や荷物、そしてオペレーターや車両本体の保護に繋がります。
これらの安全機能は、テュークスベリー拠点が5年以上無事故を維持している大きな要因となっています。この実績が評価され、同拠点は2023年の年間最優秀拠点にノミネートされました。この賞はHydroグループが世界に展開する約140の拠点の中から、毎年1か所に贈られる名誉ある表彰です。
「Hydroの優れた安全実績は、間違いなくHUBTEX製の電動マルチダイレクショナルサイドローダーに搭載された各種の安全機能による成果でもあります」とヒックマン (Hickman) 氏は語ります。「このような賞をいただけたこと、そして長年にわたる無事故の記録を、私たちは誇りに思っています。」
新しいフォークリフト導入にあたって、Hydroが重視したのは安全性だけではありません。もう一つの重要なテーマはサステイナビリティ(持続可能性)でした。これまで屋外で使用していた旧モデルはガス駆動でしたが、現在は環境にやさしいHUBTEXの電動式マルチダイレクショナルサイドローダーに切り替えられています。さらに、屋内ではガイドワイヤーシステムを採用しており、HUBTEXはその構造に適したエネルギー効率の高い電動サーボ駆動システムを搭載することができました。これにより、全体的なエネルギー消費がさらに削減されています。このワイヤー誘導方式では機械的なレール誘導とは異なり、能動的なステアリング制御が可能です(両側に150mmの安全間隔を確保)。ただし、操作はフォークリフトのハンデドルではなく、車両底部に搭載されたアンテナが床面に埋設された誘導ワイヤーを感知し、進行方向を自動制御する仕組みです。つまり、フォークリフトはラック侵入前に誘導ケーブルをたどって自動的に正しい方向へ進むため、棚な車両への接触、損傷を防止できます。
さらに、360°HXステアリングなどの革新的な機能も導入されています。このシステムにより、走行を一時停止することなく、縦方向から横方向へのスムーズな進行方向の切り替えが可能になります。加えて高い最低地上高(クリアランス)も確保されており、長尺物の扱いにおいて高い効率性と機動性を実現しています。
「これにより、煩雑な切り返し操作が不要になり、作業時間の短縮と生産性の向上につながっています。また、新型電動マルチダイレクショナルサイドローダーはよりスムーズで滑らかな走行が可能なため、床面へのダメージも減少し、タイヤの摩耗も大幅に軽減されました。」とヒックマン氏は説明します。「新しいフォークリフト車両には非常に満足しており、HUBTEXとの協力関係が今回も素晴らしい成果をもたらしたと実感しています。」